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[編集] FETによる三相ブリッジ回路とドライバ回路
2014/4/6
目標とする三相交流の生成もゴールが見えてきました。デッドタイムの挿入もできたので、あとは電流制御のためのFETを駆動すればよいというところまできました。当初、ディスクリートで P-ch と N-ch の FET駆動回路を作るつもりでした。参考にさせていただいているページを記しておきます。
http://miqn.net/periph/72.html マイコン徹底入門
http://srd.s43.xrea.com/circuit_learning/motordrive.shtml モータードライブ編
http://www.maizuru-ct.ac.jp/control/machida/elec/motor/index.htm 各種DCモータドライバ回路集
http://www.geocities.jp/zattouka/GarageHouse/micon/circuit/FET.htm FETをマイコン出力のスイッチとして使う方法
が、今の時代、FETを駆動するためのドライバICなるものがあることがわかりました。「パワー・エレクトロニクス回路の設計」という本を参考にしていたのですが、IR2011 というのがそれです。
この IC を使えば、N-ch FET だけでフルブリッジ回路を作成できるため、製作がとても楽になります。三相ブリッジにするにはFETが6個必要になるため、なるべく価格も安くて性能を満たすものが必要ですが、FETはPチャンよりもNのほうが充実しているようですから、この点でもナイスです。
が、IR2011 は既に廃品種で、今は IR2110 というのが代替のようです。ピン数が違うのでそのまま置き換えというわけにもいかないため、使い方をこちらのサイトで勉強しつつ、テスト回路を組みました。
(2014/6/28 追記) メーカーがICのデータシートとは別に Application Note というものを出していることを後になって知りました。 これを最初に参照すべきでした。 http://www.irf.com/technical-info/appnotes/an-978.pdf
パーツは - ダイオード 1N5818 @20円 千石
- FET IRFU3410 @60円 秋月
- ハイサイド・ローサイド・ドライバIC IR2110 @250円 秋月
で、ドライバICが250円x3でちょっと値が張ります。
実験のときはダイオードは 1N4007 を使っていましたが、これでも問題は無かったです。ブレッドボードで1相だけの回路を試しました。IC は正常に動作したようでしたが、FETの駆動は1相だけではよくわかりませんでした。
[編集] 回路図
[編集] 製作
以下のように組み上げました。コンデンサC4, C8, C12 の値はトライアンドエラーで決める必要がありそうなため、ピンソケットを使用しています。
(写真右) PWM発生基板、デッドタイム挿入基板、FET駆動基板を接続。
最初に試したとき、ICに供給した12Vの消費電流 > 120mA と大きく、ひとつICが加熱してきたためあわてて電源を切りました。1個ずつ電源をつけて試してみると、真ん中の1個が犯人です。基板の回路は問題ないようだったため、試しにICのピンにテスタをあててみると、1 と 3 が短絡していました。最初から壊れていたのかどうか不明ですが、予備と交換して正常動作となりました。しかし、1個250円は痛い。
三相出力の負荷として抵抗をつないで波形を見たところでは、動作しているようなので、試しに三相モーター(模型用DCブラシレス)を接続しました。
そして・・・最終目標であるモーター駆動ができました!入力電圧 2V 台でも結構力強く回ります。電圧を上げても回転数が変わらないところが交流同期モーターっぽいです。
モーターが回るということは、とりあえずまともな三相交流になっている、はず。しかし、まだまだ入り口です。実験は続きます。
ちなみに、使用モーターはTurnigy2211 です。最大使用電圧は 11.1V。ラジコン飛行機用らしいですが、箱から出すたびに「小さいなあ」といつも思います。
[編集] 今後の目標
- 電車のインバーター音を出してみる
- 自転車用DCブラシレスモーターを駆動してみる